Hop – はじめの一歩
私がセラピストの道を歩み始めたのは、家族を支えたいという想いからでした。
当時、夫は毎月100時間を超える残業が当たり前の生活を送っていました。疲れ果てた彼はよく、「足がだるいから揉んで」と頼んできました。最初は自己流でマッサージしていましたが、どうせなら本当に疲れが取れる技術を身につけたい。そう思い、英国式リフレクソロジースクールの門を叩いたのが、私の最初の一歩でした。
Step – 次の一歩
数年後、今度は息子のために学び始めました。
成長期のスポーツをしている子どもに多い「オスグッド・シュラッター病」に悩み、大好きなスポーツを思うように楽しめない日々。病院では「痛いときは安静に」と言われても、痛みが和らいだ頃にプレーすると、またぶり返す。そんな繰り返しに、親としてもどかしさを感じていました。
「この子が、思い切りスポーツを楽しめるように、私にできることはないか」
そう考えているときに出会ったのが、成長期の子どもをサポートできるアロマコンディショニングマッサージを学べる「パパママトレーナー講座」でした。学んだ技術を活かしながら病院での治療を続けた結果、息子は大きなケガをすることなくプレーを楽しめるようになりました。
そのとき、ふと周りを見渡すと、同じような悩みを抱えている親子がたくさんいることに気づきました。**「この技術を、もっと多くの人に伝えたい」**という想いが芽生え、やがてパパママインストラクターとして100名以上の保護者に講座を届けることになりました。
受講生の話を聞くうちに、私自身も気づくことがたくさんありました。「なるほど、そんなケースもあるのか」「どうしたらもっと良くなる?」と考え、学び、試しながら、知識と経験を積み重ねていくことが楽しくて仕方がありませんでした。
Jump – これからへの一歩
そんな中、息子が部活を辞めることを決意しました。
実力が評価されるにつれて、一部のチームメイトからの妬みや誤解、指導という名の存在否定を受けるようになり、どんなに頑張っても報われない環境になってしまったのです。最後まで戦い続ける選択肢もあったかもしれません。でも彼は、自分をすり減らしてまでその場所に居続けることを選びませんでした。
その姿を見て、私の中でも一つの想いがはっきりしました。
「人は本来、それぞれの個性をのびのびと発揮していいはずなのに、いつの間にか周りの評価に縛られ、自分の可能性を狭めてしまうことがある」
そんな人たちが、自分を信じて歩んでいけるように。頑張りすぎてしまう人が、肩の力を抜いてホッとできるように。
私のサロンは、まるでレーシングカーが給油や修理のためにピットインするように、心と体のエネルギーをチャージする場所でありたい。誰にも言えなかった本音をぽつりとこぼしてもいい。まるっと自分をさらけ出してもいい。そんな安心できる空間で、施術とカウンセリングを通して、そっと背中を押してあげられる存在でありたい。
「一人で抱え込まずに、もっと軽やかに、もっと自分らしく生きていい」
そんなメッセージを込めて、今日も私はこの仕事を続けています。