ほんのひとしずくがもつパワー
精油のひとしずく。どのくらいの分量かご存じですか?
一般的な精油ボトルの場合、一滴あたり0.05ml。ほんの少しですが、その小さな一滴が持つ力を実感した出来事をご紹介します。
テキストにのっとったアロマプラン
数年前、アロマスクールで技術指導のアシスタントをしていたときのこと。生徒さん同士でクライアント役とセラピスト役を交代しながら、アロマプランを立てて実技演習をする授業がありました。生徒さんが一人足りなかったため、私がクライアント役を担当しました。
セラピスト役の生徒さんが私へのカウンセリングを行い、提案してくれたプランは「クラリセージ3滴、クロモジ1滴」。しかし、先生から「クラリセージは1滴でも反応が強く出る人もいるよ」と助言があり、プランを見直し「クラリセージ1滴、スイートオレンジ3滴」に変更。実技指導がスタートしました。
突然の異変
私の体調に合わせたアロマプランで実技を受け、授業も無事終了。ところが、片付けを始めたあたりから私の体調に異変がおきました。体がだる重く、頭がぼんやりして「あれ、今何していたんだっけ?」と考えがまとまらず、「そうだ、トイレ掃除だ」と思い出しても「どうやるんだったっけ?」。まるで酔っぱらっているかのよう。帰りの電車では眠りこけ、鉛のような体を引きずって無事に帰宅したものの、到着したとたん玄関で倒れ込む始末。家族に驚かれつつも、どうにか自分の部屋まで行くと、翌朝までぐっすり眠り、どうにか復活したのでした。
自然のパワーをあなどるなかれ
あのときの私は、更年期のせいかなんとなく体調がすぐれず、夏の暑さと引っ越しに伴う仮住まい生活で睡眠不足が続いており、疲労困憊状態でした。施術と精油の相乗効果で過剰に反応が出てしまったのです。
精油は自然由来だから安心安全と思われがちですが、心や身体に働きかける力があるということは、私のような事例が起きる可能性もあるということ。ほんの一滴の精油が、予想以上の力を発揮することもあることを忘れずに、上手に選び活用してみてくださいね。